看護研究テーマの見つけ方 2025年最新

看護研究テーマが決まらない看護師必見!ChatGPTを活用した見つけ方

看護研究のテーマ決めに悩んでいませんか?「研究なんてやったことがない」「何から始めればいいかわからない」そんな声を、看護研究支援を行う中で数多く聞いてきました。

実は、研究テーマが見つからないのは決して珍しいことではありません。私自身も修士課程で初めて研究に取り組んだ際、テーマ決めだけで半年も悩んだ経験があります。

この記事では、10年以上の看護研究経験と現在の看護研究支援事業で得た知見をもとに、研究初心者でも実践できるテーマの見つけ方をご紹介します。特に、ChatGPTなどのAIツールを活用した現代的なアプローチも含めて解説していきます。

目次

なぜ看護研究のテーマが見つからないのか?【看護研究 初心者あるある】

現場の看護師が疑問を持ちにくい理由とは?

多くの看護師が「臨床疑問がない」と感じるのは、実は自然なことです。現場で働く看護師は、疑問が生まれても即座に解決する力を身につけているからです。

  • 患者さんの安全に関わることはすぐに調べる
  • 前例があればマニュアル通りに対応する
  • 立ち止まって深く考える時間的余裕がない

このような環境では、研究につながるような深い疑問を育てる機会が限られてしまいます。

よくある相談「これって研究になりますか?」

看護研究支援でよく受ける相談が「これって研究になりますか?」というものです。

多くの場合、そのままでは研究として成立しないケースが多いのですが、適切な方向性を見つけることで立派な研究テーマに発展させることができます。

ChatGPTでできる!看護研究テーマのアイデア出し【実例あり】

生成AIを「壁打ち相手」にしてみよう

従来は先輩や指導者との対話を通じてテーマを見つけることが一般的でしたが、忙しい現場では相談相手を確保することが困難な場合も多いでしょう。

そこで効果的なのが、ChatGPTを「思考整理の壁打ち相手」として活用する方法です。

実際に私も「臨床疑問を研究の形にするための視点を5つ挙げて」とChatGPTに質問したところ、新たな視点のヒントを得ることができました。

すぐ使えるプロンプト例

基本のインタビュープロンプト

あなたは看護研究を支援する専門家です。私は看護師として働いており、研究テーマを探しています。

夜勤中や日勤中に困ったことを思い出したいので、インタビュー形式で質問を作ってください。

私が答えやすいように、簡単で具体的な質問を5つだけ作ってください。

視点拡大のプロンプト

私が感じた臨床での疑問を研究テーマにするために、どのような視点で整理すればよいか、5つの観点を教えてください。

個人情報入力の注意点も忘れずに

ChatGPTを活用する際は、患者さんの個人情報や職場の機密情報は絶対に入力しないよう注意しましょう。

一時チャットモードの活用も検討してください。

看護研究テーマはPICO・PECOで整理する【型に当てはめて明確に】

PICO・PECOとは?初心者向けにやさしく解説

臨床疑問を研究テーマに変換する際によく使われているツールが、PICO・PECOフレームワークです。

これらは研究の要素を整理し、明確な研究問いを作るための強力なツールです。

PICO(量的研究向け)

  • P (Patient/Problem): どんな患者・問題に
  • I (Intervention): どんな介入をしたら
  • C (Comparison): 何と比較して
  • O (Outcome): どうなるか

PECO(観察研究向け)

  • P (Patient/Problem): どんな患者・問題に
  • E (Exposure): どんな要因があると
  • C (Comparison): 何と比較して
  • O (Outcome): どうなるか

実例でわかる!PICOを使った研究テーマ整理

元の疑問:「手術前の患者さんが不安そうだった」

PICO整理の過程

ステップ1:基本的な整理

  • P: 手術前の患者さんに
  • I: 何らかの不安軽減ケアを行うと
  • C: 行わなかった場合と比べて
  • O: 不安が軽減するか

ステップ2:具体化

  • P: 全身麻酔による初回手術を予定している成人患者に
  • I: 術前訪問での情報提供と傾聴を行うと
  • C: 通常のケアのみの場合と比べて
  • O: 術前不安尺度の得点が低下するか

型に当てはまらない研究もOK?柔軟な視点がカギ

多くの人がPICO・PECOにすべての研究を当てはめようとしがちですが、実際にはそうではありません。

PICO・PECOが適用しにくい研究例

  • 実態調査(観察研究で仮説を立てずに現状を把握する)
  • 質的研究(体験や認識を探索する)
  • 記述的研究(現象の特徴を明らかにする)

実態調査の例

  • P: ICU入室患者の
  • O: せん妄発症率はどの程度か

この場合、PとOのみで研究が成立します。

ただし、PICO・PECOの活用をお勧めする理由

PICO・PECOフレームワークで整理された研究は、以下の利点があります:

  • 研究方法が明確になりやすい
  • 結果の解釈がしやすい
  • 考察を書きやすい
  • 臨床への応用がしやすい

そのため、可能な限りPICO・PECOでの整理を検討することをお勧めします。

研究テーマに含めるべき3つの要素

効果的な研究テーマの構成

良い研究テーマには以下の4つの要素が含まれている必要があります:

  1. 対象(誰に対して)
  2. 介入(何をやって)
  3. 目的(何を明らかにするか)
  4. 研究デザイン(どのように調べるか)

例:効果的なテーマ 「ICU入室患者における術後せん妄予防のための早期離床プログラムの効果:ランダム化比較試験」

  • 対象:ICU入室患者
  • 介入:術後せん妄予防のための早期離床プログラム
  • 目的:せん妄予防効果
  • 研究デザイン:ランダム化比較試験

「これって研究?」よくある誤解と修正ポイント

漠然とした疑問はこう整理する

看護研究支援でよく受ける相談とその対応例をご紹介します。

相談例1:「患者さんが痛がっているのを見て、何かできないかと思った」

問題点: 漠然としすぎて研究として成立しない

解決策:

  • どんな患者さんの、どんな痛みか?(対象の特定)
  • 既存の疼痛管理で不十分な理由は?(先行研究の確認)
  • どのような介入が可能か?(実現可能性の検討)

発展例:「術後疼痛管理における看護師主導の疼痛評価頻度増加の効果」

相談例2:「業務改善で導入した新しい手順の効果を知りたい」

問題点: 何の効果なのかがわからない

解決策:

  • 目的の明確化:何を期待した新しい手順なのか
  • 評価方法の検討:主観的評価か客観的指標か

やりがち!研究テーマ決め5つの落とし穴【チェックリスト付き】

1. 壮大すぎるテーマ設定

NG例:「日本の看護師の働き方改革に関する研究」

改善案:「A病院における夜勤専従看護師の職務満足度調査」

2. 簡単すぎる疑問

NG例:「給与が上がると看護師のモチベーションは上がるか」

理由: わざわざ研究しなくても結果が予想できる

3. 実現不可能な研究規模

NG例:「全国1000施設での比較調査」

改善案:「同一法人内3病院での比較調査」

4. 倫理的配慮の不足

NG例:「意図的にケアを提供しない群を設定」

改善案:「現行ケアと新しいケアの比較」

5. 先行研究の確認不足

問題: 既に答えが出ている疑問を研究してしまう

対策: 文献検索を必ず実施する

実践ステップ:生成AIと一緒に研究テーマを見つけよう

ステップ1:日常の振り返り(1週間)

毎日の業務後に5分間、以下を記録してください:

  • 今日困ったこと
  • 疑問に思ったこと
  • 改善できそうだと感じたこと

ステップ2:ChatGPTでの思考整理(15分)

記録した内容をもとに、ChatGPTと対話しながら疑問を深掘りします。

ステップ3:PICO・PECOでの構造化(15分)

有望な疑問をPICO・PECOフレームワークで整理します。

ステップ4:実現可能性の検討(30分)

  • 対象者の確保は可能か
  • 期間内に完了できるか
  • 必要な資源は確保できるか
  • 倫理的な問題はないか

ステップ5:文献検索(1時間)

類似研究の有無を確認し、研究の独自性を検討します。

まとめ|看護研究テーマが決まれば半分成功!

看護研究のテーマ決めは、確かに難しい作業です。しかし、適切なアプローチと現代的なツールを活用することで、必ず解決できます。

成功のための5つのポイント

  1. 完璧を求めすぎない:最初から完璧なテーマである必要はありません
  2. AIツールを活用する:ChatGPTなどを思考整理のパートナーとして使いましょう
  3. フレームワークを使う:PICO・PECOで構造化して考えましょう
  4. 実現可能性を重視する:自分のリソースに合った規模で設定しましょう
  5. 相談できる環境を作る:一人で抱え込まず、誰かと話しながら進めましょう

研究テーマが決まれば、研究の半分は終わったと言われます。焦らず、自分のペースで、価値ある研究テーマを見つけてください。

あなたの研究が、未来の看護をより良いものにする第一歩となることを願っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

看護学博士。臨床経験5年、研究歴10年以上。
現在は看護師さんの看護研究を支援する「Medi.Ns.Lab.」を運営し、初心者の方にもわかりやすいサポートを心がけています。

コメント

コメントする

目次